マフィアを超えたかもしれない男がいた

健康診断の帰りに上野へ。目的があった訳ではないのでぶらぶらして
いただけ。その途中でパン屋さんの店先で「パンダパン」を見つけた。

実家へもお土産で買った。帰宅途中で立ち寄ると母も仕事から戻った
ところ。ちょうどいいではないか。はい、これ。仏壇に上げたあと、
食べてね〜。

「パンダって四足だけど、お供えして大丈夫かしら」

う…確かに四足だけど、パンダの肉そのもじゃないから大丈夫でしょ。
我が母は妙なところに気が付くのだなぁ。

『実録マフィア映画の世界』(山田吐論 洋泉社)読了。

「ゴッド・ファーザー」「シカゴ」「コットン・クラブ」「ワンス・アポン・ア・
タイム・イン・アメリカ」「アンタッチャブル」「グッド・フェローズ」
「スカー・フェイス」「フェイク」etc.

アメリカで製作されたマフィア映画を、モデルにされたマフィアたち
や時代背景や製作過程でのエピソードを交えて解説する。

取り上げられている映画のほとんどを観ている自分にびっくりで
ある。しかも、本書を途中まで読んだところで「あれ?知っている
ことが多いぞ」と思った。

巻末の参考文献を確認する。なんということでしょう。著者が参考
にした文献の半分以上が私の書棚にあるではないかっ!そりゃ、
「どこかで読んだな」と思うはずだわ。

「ゴッド・ファーザー」については撮影の裏話を集めた本があるので、
そっちの方が面白かった。

モデルにされたマフィアたちの実像も興味深いのだが、最も面白
かったのはフランク・シナトラのお話。

世界を魅了した「ザ・ヴォイス」。あの歌声がなければチンピラである。
我がままだし、凶暴だし、横暴だし…。この人、本当は歌手ではなく
マフィアになりたかったのではないのか?

しかも、「シナトラ」ってことでなんでもゆるされちゃうんだから、
マフィアを超えた男かもしれない。

シナトラの評伝が読みたくなったよ〜。

マフィア映画は好きで何本も観ているが、「ギャング・オブ・ニュー
ヨーク」はひたすら暗くて1回しか観なかった。そうして、大っ嫌い
なのが「アンタッチャブル」である。

本書でもネス捜査官の実像が暴露されているが、あんな完全無欠
な捜査官なんていませんっ!

マフィア映画の副読本というところかな。ただ、アル・カポネを美化
し過ぎているところはいただけない。