訴える力
仕事帰り、派遣先の最寄駅から電車に乗る。休日なのですんなり
座れて、さぁ本でも読もうとふと視線を上げる。
向かいの座席には4人連れのおじさんたち。はて?服装がなんだか
普通と違う。あ…今日は建国記念日じゃないか。
右の方々は街宣車で移動するものだと思い込んでいたのだが、
電車に乗る人もいるんだね。
靖国神社の宮司がどうのこうのと話していた。でも、もう少し小さい
声でお願いします。本に集中出来ませんでした。
『報道写真家』(桑原史成 岩波新書)読了。
今ではインターネットの動画サイトで、世界中の事件や事故を観ること
が出来る。東日本大震災を持ち出すまでもなく、繰り返し流される映像
は強烈なインパクトを持っている。
それでも、やはり写真が好きだ。動画は一連の流れを見せてくれるが、
写真はそのなかの一瞬を切り抜いて訴えかけてくる。
本書は報道写真家である著者が、報道写真を志したきっかけから
最初の取材となった水俣、韓国、インドシナでの思い出とそこで
出会った人々を描く。
発行が1989年なので少々古いが、当時は一眼レフが広く普及して
いたのか。オートフォーカスで、誰もが簡単にカメラを扱える時代
になったよね。
そして、今はデジタル・カメラだ。携帯端末にもカメラ機能があるから、
事件・事故に遭遇すれば誰もが簡単に撮影することが出来る。
それでもやはりプロの写真家が捉える「決定的瞬間」には一味
違うものがある。
どんなに動画が便利だろうと、私はこの先も写真を愛して行くのだろう
な。あ…写真集が溜まる。汗。