そこで必要なのは何?
12月31日が仕事納めで、1月1日が仕事始め。そんなメリハリのない
年が続いていた。
なのに、珍しく今年は昨日が仕事納めだった。でも、仕事始めは
1月1日なんだけどね。
昨日はほとんどの会社が仕事納めだったこともあり、常連のお客様
から「今年も有難う〜」と言われることが多かった。
はぁい♪こちらこそ有難うございます。そして、来年もごひいきに〜♪
『世界で一番いのちの短い国 シエラレオネの国境なき医師団』
(山本敏晴 小学館文庫)読了。
富をもたらすはずのダイヤモンドが、シエラレオネにとっては不幸の
元凶だった。
この天然資源に目を付けた隣国のリベリアは、シエラレオネ国内に
反政府勢力に作り内戦を引き起こす。そして、シエラレオネは国と
しての機能が崩壊した。
著者が同地を訪れた時、平均寿命34歳という「世界でいちばん命の
短い国」だった。世界最大規模の医療系NGO「国境なき医師団」の
メンバーとして接したシエラレオネの現実は…。
深刻なタイトルと裏腹に、脚色されているであろう著者の現地での
生活はドタバタ・コメディである。同僚や現地スタッフのとやり取り
は、現実には苦労しているのだろうが笑い話に仕上がっている。
そんな話の流れのなかでも著者が感じている国際協力の問題点
には考えされられる。
現地の文化や風習を軽んじて、白人社会の価値観を押し付けて
いいのか。無料で薬や食料を配布するだけでいいのか。
いろんな制約のある国境なき医師団の活動のなかで、著者は
自分が帰国した後も同じレベルでの診療が行えるよう、現地の
医療スタッフの教育も始める。
国が国としての機能を果たしていない国に、国際協力として
様々な団体が訪れる。しかし、その団体が引き揚げてしまったら
元の黙阿弥になってしまったら意味がないんだよね。
本当に求められているものはなんなのか。難しい問題だし、
いろんな考えがあるのだろうけれど、白人社会の考えを
そのまま持ち込んじゃいけないってのは賛成だな。