治安維持法がやって来る?

野ダメ首相が福島第一原発の事故の収束宣言を出したのが
昨年末。終わっちゃいないのにさ。

収束宣言を急いだのは各種補助金の抑制をする狙いもあったの
ではないか。だって、あの事故現場で作業に当たっている人たちの
がん検診の無償化が打ち切られてるんだぜ〜。

せっこいなぁ、日本政府。誰もあそこで作業してくれなくなったら
どうするんだよ。未だ放射線量は高いんだぞ。検診くらい国が
責任を持ってやらんかいっ。これまで国策で進めて来た原発
なのだから。

『ヤクザに弁当売ったら犯罪か?』(宮崎学 ちくま新書)読了。

警察は自分たちの仕事を一般市民に押し付けようとしているのか。

否、派出所等にいる「おまわりさん」たちのことではない。警察官僚
と呼ばれる頭でっかちのエリートのことだ。

暴力団排除条例は全国の都道府県すべてで実施されている異例の
条例だ。しかも、その内容については各自治体ではなく警察庁
ホームページに掲載されている。

暴力団の利益になることはしてはいけません。暴力団と交際しては
いけません。暴力団を「格好いい」と思わせてはいけません。

要はそんな条例なのだが、これ、処罰されるのは暴力団員ではなく
一般市民や企業の方なのだ。

民主党のとある大臣が暴力団員との交際を云々されて辞任せざるを
得なくなったことは記憶に新しい。

数十年前の話を持ち出されて攻められる元大臣は少々お気の毒だった。
だって政治家と暴力団なんて似たようなもんじゃないか。

同じように大物司会者と呼ばれた芸人が、引退を余儀なくされた。これ
だって、何を今更…なのだ。チンピラ芸人がヤクザと仲良しなんて驚く
ことじゃない。そもそも、芸能界とヤクザは持ちつ持たれつの関係じゃ
ないか。

結社の自由は憲法で認められている。だから「組」は認めましょう。
でも、「組員」は認めませんよ。ヤクザに人権なんかないし、そんな
ヤクザと付き合う人にも人権はありませんってのがこの条例だ。

本書では実際にあった事例を引きながら、暴力団排除条例の危うさ
を説いている。怖いぞ〜、本人の知らないところで「交際者」とされ、
申し開きの機会も与えられないんだから。

著者も書いているが、これ、悪名高き治安維持法に通ずるものがある。
警察のさじ加減で、いかようにも解釈できる条例は暴力団だけではなく、
一般市民をも警察権力の監視下に置こうとしているのだから。

山口組6代目・司忍組長の出所映像を見ながら、「組長、格好いい〜」
とか言っている私は警察のリストに載るんだろうか。汗。