全てを元に戻すには全てを元に戻すには

「復興予算で沖縄の道路を造るのは理にかなっている」

国交省のお役人さんの頭の中はどうなっているのだろうか。確かに沖縄にも
原発事故を心配して避難した方々が少ない数、暮らしている。

でも「復興予算」なんだよ。東日本大震災原発事故で被災した地域の
復興の為に使うお金じゃないのかな。

この案件以外にも被災地とは関係のない場所に多額の予算が使われる
予定だ。マスコミはこれをもっと叩いたらどうだ?

『プロメテウスの罠2 検証!福島原発事故の真実』(朝日新聞特別報道部
 学研)読了。

あの日を境に、日々の暮らしは一変した。福島第一原発事故の発生から
慌しく避難した人たちのなかには、今でも我が家に帰れない人が多くいる。

避難区域の寺では納骨出来ない遺骨が本堂に安置されている。檀家は
この地に帰って来られるのか。帰れないのに今ある墓に遺骨を納める
ことは出来ない。

自らも寺を離れて避難生活を送る住職は預かっている遺骨を移せる
場所を探している。

畑や田んぼの世話をして暮らしていた人たちは、今は世話をする田畑も
ない避難先や仮設住宅で暮らす。田畑を相手の適度な運動、散歩、
近所の人とのおしゃべりをして過ごした地で、あの日以前の生活に
戻ることは出来るのか。

原発事故で多大な影響を受けた人たちの現状に言葉もない。土地を、
家を、そして日常を奪われた人たちの生活は「賠償金」という名目の
お金だけでは取り戻すことは出来ないのだ。

本書以外の原発事故関連の書籍でも触れられているが、度重なる
避難のなかで亡くなった方も多い。地震津波だけだったら、失う
ことのなかった命だ。

自宅が津波に襲われながら、2階で被害を逃れた人でも原発事故
で救助の手が届かなかったことで衰弱死した人もいた。

「10日間は生きていた」。そう告げられた家族の無念や、亡くなった
ご本人の辛さは想像を絶する。

この人たちが再び安心して暮らせる日が来るまで、朝日新聞には
引き続きの連載を期待したい。

尚、本書には六ヶ所村がいかにして再処理場となったのか。電気料金
値上げ発表のからくり。気象庁津波警報の遅れの原因等も記されて
いる。

興味深いのは「放射能つけちゃうぞ」と言ったとか言わないとかで辞任を
余儀なくされた元経産相の鉢呂氏の話。

陰謀論者ではないけれど、あの辞任劇は仕組まれたもんじゃないのか?