信仰の力か

ホルムアルデヒドである。群馬・埼玉・千葉の浄水場で検出された。
千葉県の一部では現在でも断水が続いている。

以前にも利根川水系ではホルムアルデヒドが検出されたとのこと。
国交相の発表だと工場排水が原因ではないかとのことだ。

ライフラインはどれか一つでも寸断されると不便だね。特に断水は
高齢者世帯には大変じゃないだろうか。給水所まで水をもらいに
いくのだってしんどいだろうし。

早く原因が分かって解消されますように。

『宣教師ニコライとその時代』(中村健之介 講談社現代新書)読了。

東京復活大聖堂と言ってもピンと来ないかもしれない。東京・駿河台の
ランドマーク・ニコライ堂の正式名称だ。

聖堂にその名前は残っているものの、この聖堂を建立したニコライとは
どういう人物だったのか。名前だけが残されて少々忘れ去られたような
存在だった宣教師ニコライと、彼が日本に正教の伝道に訪れた時代の
日本とロシアを描く。

日本にロシア正教を根付かせようと北海道へ上陸を果たし、日本語と
日本文化を勉強し、聖堂建立の為に一時帰国したロシアで資金集め
をし、伝道の為に日本を縦断する。

副島種臣後藤新平と交流し、信者からの金の無心に苛立ち、ロシアへ
留学生を送り込んでも日本帰国後は正教から離れる者の多さに頭を
抱える。

日露戦争が始まると周囲の強い勧めも断りロシアへ帰国することもなく、
25歳からの50年間をひたすら信仰に生き、日本に骨を埋めた。

その遺骸は谷中墓地に葬られたが、1970年の墓地改修の際に棺を
開けたところ、その遺骸は不朽体となっていた為、ロシア正教会
より列聖された。

著者が発見したニコライの日記からの引用が多用され、実は辛辣な
観察者の目を持っていたことが分かる。

ニコライ堂、しばらく行ってないなぁ。今度行く時はニコライの生涯に
思いを馳せながら佇んでみよう。