飼えないなら買うな

怖いよ、怖いよ〜。何が怖いかってテレビ・コマーシャルである。
元モーニング娘。のふたりが出ている便秘薬のコマーシャルだ。

便秘薬に用はないくらいお腹の調子はいいので、特に気にして
見ている訳だはない。ただ、旦那が点けっぱなしにしている
テレビに目をやった時、不意打ちのようにこのコマーシャルが
流れていることが多いのだ。

怖いのはこのふたりの顔なのである。他の人はどう感じるか
分からぬが、私には蝋人形のような作り物に見えちゃうのだ。
血が通ってない顔…とでも言えばいいのだろうか。

だから、怖いのだ。今日も今日とて、このコマーシャルが目に
入らぬように耳をそばだてているのさっ。

『動物の値段』(白輪剛史 角川文庫)読了。

子供の頃、千葉県の山中にある寺から飼っていたトラのうちの
2頭が脱走したというニュースがあった。家の近所まで逃げて
来たら怖ろしいな、と思ったのと同時に、トラのように動物園で
飼育されている動物も個人で飼えるのかと思った。

そんな動物たちを実際に購入しようとしたら値段はいくらになるのか
を記したのが本書である。

著者は現役の動物輸入商なので、生息地で野捕獲方法、運搬方法や
運賃、与える餌のことまでフォローしている。また、その動物にまつわる
エピソードも楽しい。

巨大な蛇・アナコンダなんて、量り売りならぬセンチ売りなんだぜ〜。
それも体長によって1センチの値段が違ってくるらしい。

さて、私がこの世で一番愛するシャチである。そのお値段1億円也。
半分が運送料なのだそうだ。う〜ん、これじゃ飼えないな。まぁ、
シャチは水族館にいるのより大海を泳いでいる方が好きだから
飼う気もないけど。

このシャチ、取引をするとなると大変らしい。手続き等ではなく、環境
テロ…もとい、動物保護団体の面々が大騒ぎするのだそうだ。

なので、メジャーな航空会社はどこも搬送を断るらしいのだが某国の
国営航空会社は「ダー」と二つ返事で引き受けてくれるとか。

「ダー」?それって、ロシアのアエロ・フロートなんじゃないか。汗。

動物の値段・蘊蓄以外にもワシントン条約絶滅危惧種のコラムも
あって、動物好きでなくとも楽しめる。

動物は飼ったら最後、死ぬまで面倒を見なきゃいけない。それが
出来なのなら犬・猫でも飼ってはいけないな。