便乗本を読んでみました

トランプ政権の暴露本が発売になったアメリカ。既に売り切れ
続出らしい。

読みたいな〜。日本でも発売にならないかなぁ。すぐ買うのに。

田中角栄 最後のインタビュー』(佐藤修 文春新書)読了。

版元が文藝春秋だし、田中角栄だし、「最後のインタビュー」だし。
これは読むべきだろうと購入したのだが…。少々肩透かしだった。

ここ数年、角さんブームらしく、新刊書店では数種類の角さん本が
平積みになっていたのを目にしていた。本書もブーム目当ての便乗
本という感じかな。

政界引退後にマスコミをシャットアウトしていた角さんが、何故、
著者のインタビューだけを受けたのかは謎だけど、合計して13時間
にも及ぶインタビューは貴重ではある。

ぶっ通しでのインタビューではないので、話が細切れになるのは分か
るのだが、角さんの話をまとめた間に著者の推測を交えた解説が入る
のが邪魔だった。

ただ、角さんの考えていたことは伝わって来る。この人は本当に学歴
の人ではなく学力の人だったんだなと思う。だから、自分の頭で考え
る政治家だったのだろう。

学歴だけが立派な今の政治家を、角さんならどう見るのだろうな。
あ、それなら大川隆法先生が角さんの言霊を伝える本を書いている
から、それを読めばいいか。読まないけど…。

角さんもそうだが、政界のフィクサーだった児玉誉士夫だとか、スケー
ルが大きかったと思うのは、現在の私が年齢を重ねて年下の政治家さえ
いるのだけが原因だとは思えないんだが。

今のフィクサーって竹中平蔵とかか?ちっさいなぁ。

いささか期待外れの本書だったが、周恩来フルシチョフとの会談の
裏話は面白かった。

「私が田中角栄だ。小学校高等科卒業である。諸君は日本中の秀才代表
であり、財政金融の専門家ぞろいだ。私は素人だが、トゲの多い門松を
たくさんくぐってきて、いささか仕事のコツを知っている。一緒に仕事
をするには互いによく知り合うことが大切だ。われと思わん者は誰でも
遠慮なく大臣室にきてほしい。何でも言ってくれ。上司の許可を得る
必要はない。できることはやる。できないことはやらない。しかし、
すべての責任はこの田中角栄が背負う。以上」

44歳の若さで大蔵大臣に就任した時、大蔵省幹部を集めての挨拶の
言葉。最後の一文、この言葉を言い切れる政治家が今もいるかな?