本は著者を確認してから読もう

平昌オリンピックのフィギュアスケートの女子シングルスで
金メダルを獲得したロシアのアリーナ・ザギトワ選手に、
秋田犬保存会から秋田犬が贈られることになっていた。

この贈呈式に今月25日からロシアを訪問する予定になっている
安倍晋三が出席するのみならず、安倍晋三がザギちゃんに手渡し
するらしい。主導したのは外務省。

何を出しゃばってるんだろうか。ザギちゃんに贈るのは保存会
だし、贈呈式でも保存会の人がザギちゃんに渡すべきなのでは
ないだろうか。

案の定、保存会から「節度を守って」との苦言が出て来ている。
そりゃそうだよな。秋田県保存会の人たちだって、安倍の人気取り
に利用されたくないだろうに。

『すごい古書店 変な図書館』(井上理津子 小伝社新書)読了。

失敗した。この著者、私が糞味噌な感想を書いた『さいごの色町
 飛田』の人ではないか。この作品の感想でも「文章が拙い」と
書いた覚えがあるが、本書のような短文だと一段と際立つな。

日刊ゲンダイ」に連載された古書店(古本屋)・図書館の紹介
記事をまとめた1冊。

それぞれに見開き2ページで紹介されているのだが、こんな短い
文章でも句読点の使い方、言葉の遣い方に引っ掛かって同じ個所を
何度か読み返す羽目になった。

加えて知識不足。古書店を巡るのに反町茂雄を知らないだと?
アンカット本を知らないだと?旧仮名遣いが読めないだと?
なんだ、そりゃ。

「本と目が合った」「本を握りしめる」との表現が多いのにも
違和感があったな。著者のお気に入りの表現なのかもしれないが。

取り上げられている古書店・図書館は東京都内及び近郊が中心
なので、物足りなさもある。せめて関西地域の店舗や図書館を
少し織り交ぜてもよかったのではないだろうか。

この手のガイド本は結構参考になるのだが、本書は参考にする以前
に文章で引っ掛かりまくりで読み通すのが苦痛だった。

これは編集の問題だと思うのだが、タイトルの「変な図書館」は
「こだわりの図書館」くらいに出来なかったのかしらね。

それにしても短文は難しい。欠点が強調されてしまうな。