世界に誇る日本のシステム

『あなたの隣の放射能ゴミ』(まさのあつこ 集 英社新書)
読了。


約90京ベクレルと言われても数字が大き過ぎて実感がない
のだが、福島第一原子力発電所の事故で放出されたヨウ素
換算値での放射性物質の総量だそうな。

ヨウ素換算」なので、ヨウ素以外の放射性物質も含んで
いるんだけどね。

起こるはずがないと言われていた原発事故が起きちゃって、

おまけに原発買の外には出ないと言っていた放射性物質
大気中に拡散してしまった。

わちゃあ…これじゃ人が居住出来ない地域が広くなっちゃう。
困ったなあ。そうだ!除染して数値が下がればいいんじゃん。
え?除染で出た放射能ゴミをどうするかって?

そんなもん、基準値を緩和して公共事業の土台などにしちゃえ
ばいいじゃん。ほら、道路とか防潮堤とかの基礎に埋めちゃえ
ば、取り敢えずは見えなくなっていいんじゃないか。

道路だって崩壊するし、防潮堤だって壊れんだよ。ボケェェ!
と、言いたくなる放射能ゴミ再利用のお話てんこ盛りなので
ある。もうねぇ、開いた口が塞がりませんよ、わたしゃ。

バカだろう、環境省って思うのよ。あんたらの省って水俣病
発端となってできた官庁だろう?まあ、そん時から碌なことを
してないんだが、福島第一原発事故でも相当にいい加減だよな。

そりゃね、数年ごとに担当者が代わって、人間の寿命より無害化
に途轍もない時間がかかる放射性物質の汚染なんてその時には
責任の所在も有耶無耶になってるものね。

素晴らしいよ、日本の政府や官僚機構が世界に誇る「誰も責任を
負わないシステム」って。

気がついたら日本全国、どこにでも公共工事の土台に放射性物質
を含んだゴミが再利用されているなんて、ジワジワ怖いわ。

結局は「原子力は安全です。原子力はクリーンです」と言って、
過酷事故を一切想定せずに来た日本の原子力政策は、一旦、過酷
事故が起きれば「その後」のことはまったく考慮してなかったんだ
よね。

放射能ゴミをいっぱいに詰めたフレコンバックの山は、私たちが
気が付かないうちにいろんなところにばら撒かれるじゃないか?

福島第一原子力発電所の事故は過去のものではない。現在進行形

なのだと思うわ。