数学?なにそれ?おいしいの?

『100年の難問はなぜ解けたのか 天才数学者の光と影』
(春日真人 新潮文庫)読了。

「単連結な三次元閉多様体は、三次元球面と位相同型である」

さっぱり分からぬ。大体、私は算数でつまずいているので数学
なんかもっと分からない。

高校時代の数学のテストなんて、50点以上を取ったことがない。
あ、なんの自慢にもならんな。

それでも100年も解けなかった難問に答えが出たと聞いたら、
興味は湧くのである。しかもそれが私の愛するロシア絡みと
なれば尚更である。

という訳で、冒頭のポアンカレ予想なのだ。何人もの数学者が
挑み、敗れ続けた難問を解いたのがロシアの数学者グリゴリー・
ペレルマン(本書ではぺりルマン表記)。

しかし、彼はポアンカレ予想に懸けられた懸賞金もフィールズ賞
受賞も辞退したばかりか、務めていた研究も辞め、姿を消した。

何故、彼は難問を解明したのちに姿を消したのか。ここが一番興味
をそそられることなのだが、本書はペレルマンその人の追うことも
しているが、紙数の多くが割かれているのは数学者たちがいかに
ポアンカレ予想と格闘して来たか…だった。

なので、私にはちょっと肩透かし。それでも、数学門外漢でも理解
しやすいように書かれているのでざっくりと理解するにはいいかも。
NHKの番組の書籍化なので、番組を見ていれば一層に理解が深まる
かもしれない。それでも、ポアンカレ予想は理解出来てないが。

でもね、やはりもう少しペレルマンの半生にも焦点を当てて欲しい
と思うのよ。ソ連時代に少年期を過ごしているのだし、ユダヤ
なのだから差別があったはずなんだもの。

一応、テレビ番組としてペレルマン本人に接触しようと試みては
いる。ペレルマンを知る数学者たちに彼に関してのエピソードも
聞いている。だが、結局はペレルマンを追えてないのは残念。

友人・知人との交流も断ち、雲隠れするように菅を見せなくなって
しまったペレルマン。彼は今も孤独に数学の次なる難問に挑んで
いるのかもしれないね。

ロシアの森でキノコ狩りをしながら。

 

100年の難問はなぜ解けたのか―天才数学者の光と影 (新潮文庫)

100年の難問はなぜ解けたのか―天才数学者の光と影 (新潮文庫)